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スティーブ=グッテンバーグとトム=ハンクスの話

マイケル=ウィンスロー」という名前に聞き覚えのある方は、間違いなく昭和の人間です。

 

彼は1980年代に「声帯模写」で一世を風靡したアメリカの人気スター・コメディアン・俳優です。

彼が一番得意だったのは機関銃の音で周りの人たちをびっくりさせることです。

上の動画で警察官にいたずらしてる男性がマイケル=ウィンスロー。

日本でも瞬く間に人気者となり、テレビのコマーシャルでも活躍しました。

 

上の動画は「ポリスアカデミー」という映画のワンシーンです。

ポリスアカデミーは1984年公開のコメディ映画で、日本でもアメリカでもヒットしました。

マイケル=ウィンスローのいたずらを横で見ているのが、映画の主人公「スティーブ=グッテンバーグ」です。懐かしい。

 

スティーブ=グッテンバーグの名前に今でもピンとくる日本人は少ないでしょうね。

令和の今日となっては、映画ファンでもなかなか覚えていないと思います。

この人は一歩間違えば「トム=ハンクス級のスーパースター」になっていたかもしれない映画俳優です。

 

1980年代のトム=ハンクス

スティーブ=グッテンバーグの前に、まず トム=ハンクス の話をしましょう。

トム=ハンクスは1986年に映画「マネーピット」や「ビッグ」で名を馳せました。

ただ当時の日本人の感覚しては、

「あれ? この人ってゴーストバスターズに出てた人じゃないの?」

という感覚でした。実際のトム=ハンクスは映画「ゴーストバスターズ」には出演していません。 

 

ゴーストバスターズの主人公は ビル=マーレイ。 トム=ハンクスとは顔・声・おでこ・コミカルな仕草に至るまでそっくりで、当時の日本人中学生には二人を見分けるのが難しかった。

さらにもう一人、ダン=エイクロイド という人もよく似てて、この3人は区別が難しかったのよ。

3人ともアメリカの人気テレビ番組「サタデーナイトライブ」の出身だからか、出る映画がよく似ていました。3人ともコミカルな演技で同じようなタイプの俳優でした。よく共演もするんですよ。

 

トム=ハンクスが一番遅咲きで、ビル=マーレイやダン=エイクロイド、そして主題であるスティーブ=グッテンバーグの3人は、1980年代にトム=ハンクスを一歩リードしていた人気俳優でした。

 

スティーブ=グッテンバーグ

1980年代のスティーブ=グッテンバーグはポリス=アカデミー、コクーン、ショートサーキットなどに主演して、スマッシュヒットを連発していました。

1990年代に入ると「ターミネーター」の アーノルド=シュワルツェネッガー や、「ロッキー」と「ランボー」の シルベスター=スタローン までがコメディ映画に進出してきたほど、映画界はコメディブームでした。

背景には長年続いた米ソ冷戦の終結や、東ヨーロッパの社会主義政権が次々倒された影響があったのかもしれません。

 

スティーブ=グッテンバーグとトム=ハンクスの主な主演作品は以下の通り。

 スティーブ=グッテンバーグトム=ハンクス
1984年ポリスアカデミー
1985年
ポリスアカデミー2
コクーン
1986年
ポリスアカデミー3
ショートサーキット
マネーピット
1987年
ポリスアカデミー4
スリーメン&ベビー
1988年ビッグ (主演男優賞)
1989年
1990年スリーメン&リトルレディ
1991年
1992年プリティリーグ
1993年
めぐり逢えたら
フィラデルフィア (主演男優賞)
1994年フォレストガンプ (主演男優賞)
1995年アポロ13
1996年
1997年
1998年
ユー・ガット・メール
プライベートライアン (主演男優賞)
1999年グリーンマイル
2000年キャストアウェイ (主演男優賞)
2001年
2002年キャッチミーイフユーキャン

1988年にトム=ハンクスが「ビッグ」でアカデミー主演男優賞を獲得以降、二人の差はジワジワ広がり始めます。

決定的になったのは1993年の「フィラデルフィア」でした。

二人はお互いコメディ・スターとして活躍してきましたが、トム=ハンクスは「フィラデルフィア」の中で、差別と闘うエイズ患者を熱演して二度目の主演男優賞を獲得。

トム=ハンクスはここから自分のやりたい仕事を好きに選べる立場となり、世界的メガヒット作を連発します。 

表には書いていませんが、声優として活躍した「トイ・ストーリー」シリーズの主演もトム=ハンクスです。

 

トム=ハンクスの栄光時代が始まると同時に、スティーブ=グッテンバーグの姿を映画の中に見る機会は少なくなりました。

私は「ショートサーキット」のファンでしたから、スティーブ=グッテンバーグが「ショートサーキット2」に出なかったことが寂しかったです。

 

それから30年がたったある日、アメリカのニュース番組に偶然スティーブ=グッテンバーグの姿が映りました。

2025年1月に起こったカリフォルニアの山火事の取材中、消火活動を手伝う地元住民がインタビューを受けていて、アナウンサーの方が

「あれ? あなたって俳優のグッテンバーグさんですよね?」

と言い出します。

男性は「ええそうです。とにかく車のキーは車の中に置いておくようにしてください」と呼びかけ続けています。車を停めっぱなしにしておくと消防車が通れないし、避難する人も車を動かせないと言うのです。

 

芸能界を静かにリタイアしたスティーブ=グッテンバーグは今も困ってる人のため、人命を救うため、一生懸命頑張っている姿に胸が熱くなりました。

ウィキペディアで調べてみると、スティーブ=グッテンバーグは普段からチャリティー活動を積極的に応援しているとか。

一時はトム=ハンクスと肩を並べるスターだったグッテンバーグ。CNNの若いアナウンサーに気付かれなかったグッテンバーグ。

トム=ハンクスは史上最高の俳優ですが、グッテンバーグも立派な人物です。

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