21世紀の今、映画にCG(コンピューター・グラフィックス)は普通に使用されます。
普通どころか全編CGで俳優が登場しない映画もあるくらいだ。
CGの登場
それまでは円谷プロダクションに代表されるような「特撮」が全盛でした。
スターウォーズの宇宙船はミニチュアだったし、駅馬車の名場面は馬の横に線路を敷いて、カメラをトロッコで並走させて撮影させたなどの逸話もある。
広義では1982年の映画「トロン」で初めてCGが映画に使用されたとされていますが、私は納得がいかない。
この映画では「実写パート」と「CGパート」が完全に分かれていて、イメージでは実写の特撮映画の中にテレビゲームの映像が交ざっているというイメージ。
ちなみに「交ざる」は10円玉と100円玉が交ざる時に使います。
「混ざる」の方がコーヒーと砂糖が混ざる時の混ざるです。一緒になるのが混ざる。完全に一緒にならない方が交ざる。
すなわちトロンは「CGが交ざった映画」でした。私はこれをCGが映画に使用されたと言いたくありません。
世界で最初に衝撃を与えたCG映画は1991年の T2 です。
省略せずに言えばターミネーター2。これは「CGの混ざった映画」でした。
シュワちゃんを追いかけて来るターミネーターの方がCGです。
エレベーターの扉をこじ開けるシーンや、吹き飛ばされた顔が元に戻るシーンは衝撃でした。
だが私はこのシーンを初めて見た時、
どこかで見た映像だな
と思いました。
それが1986年の映画ナビゲイターです。
映画ナビゲイター
この映画を知ってる日本人は少ないでしょう。
ゴールデン洋画劇場で一度放送されたことは覚えているが、以降地上波での放送はない。なぜかと言うとマイナー映画だから。
しかしナビゲイターは当時高校生だった私に色々なことを教えてくれました。
一つ目が先述のCG技術。
こちらのシーンをご覧ください。
UFOの扉が開いて、そこから階段が現れて、男の子が階段を下りてくるのです。ご丁寧にコンコンコンと足音まで立てて。
当時16歳だった私は本当にビックリしました。んで、じっくりと考えました。
「これ、どうやって撮影したんだろう?」
21世紀の今、上のシーンを見ると「チャチなCGだなあw」と思うかもしれませんが、1987年に映画ファンが見た時は衝撃でしたよ。
当時のCGと言えばファミコンならドラゴンクエスト2の時代です。ドラクエ3はまだ出ていませんでした。
ゲームセンターにはグラディウスやスペースハリアーが置いてあり、パソコン界にはシャープからX68000が発売され、画質が大幅に向上しました。とはいえCPUはまだ16ビットの時代でした。
当時の日本にこんな映像は無かった。
戦後の日本人が1936年の「風と共に去りぬ」や1940年の「駅馬車」を見て、こんな国と戦争しても勝てるはずがないと思ったそうですが、高校生だった私の衝撃もそれに近いものがありました。
ナビゲイターのCGシーンはもっとハデなものがたくさんあります。ぜひサブスクなどで視聴できれば見てください。ブルーレイはこちら。若き日のサラ=ジェシカ=パーカーがちらっと出演しています。
I get around
さて私がCG映像に驚いたのも束の間。
その次のシーンではある爽やかな音楽が流れます。これが映画の名場面と絶妙にマッチしていて気持ち良かった。
それがビーチボーイズの I Get Around でした。
UFOが少年に尋ねます。
U「なあデビッド、さっきの車から聞こえたこの音は何だい?」
D「ああ、それは音楽だよ。きっとラジオか何かだろ」
U「じゃあこの音は?」
D「うわあ! それは音楽じゃない、騒音だよ!」
U「じゃあ、これは?」
D「うん、いいね。これこそが音楽さ!」
と言って流れてきたのが I Get Around でした。ちなみにデビッドが「騒音だ」と言ったのはアイドル歌手の歌でした。アメリカンジョーク。
1964年に全米1位を獲得したスタンダードナンバーですが、日本の高校生にはあまり有名じゃなかった。サーフィンUSAくらいしか知りませんでした。
私はすぐに走ったね、レコード店へ。
映画の中でこの曲はとびきりいい場面で使用されます。レンタルビデオをダビングして何回も観ました。
1988年にビーチボーイズが出した新曲「Kokomo」もトム=クルーズの映画の主題歌になりました。
1990年代に日本のアイドルの女の子がビーチボーイズをカバーしてくれて、こちらもカワいかった。このCDも私は持ってます。